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・マサラタウン 「博士。これは嫌がらせか何かですか?」 「いきなり何を言う。」 カントー地方マサラタウンのオーキド研究所にて、オーキド博士と向かい合ったトレーナーは口火を切った。 このトレーナーが所持する唯一の手持ち、オーキド博士から譲り受けた萌えもんは、今この研究所が所持する回復装置の中で休んでいる。 回復装置に一つだけ収まっているボールの中に居るのはフシギダネでもヒトカゲでもゼニガメでもなく。 左右には朱色と青緑色の縦ロール。露出した胸元には青紫色の水晶。分類DNA萌えもん。種族名デオキシス。 一年ほど前にオーキド博士が何処かで捕まえた萌えもんであり、ほんの二日前までは博士の研究対象であった萌えもんである。 「彼女、薬無しで戦ったらキャタピーの体当たりにも押し負けるんですけど。」 「単純な威力で計算をするなら巻きつくの威力は体当たりの半分以下じゃからのう。」 トレーナーは思い出す。野生のキャタピーと、一つ指示を間違えば敗北が決定する死闘を繰り広げた、幻の萌えもんを。 その横で悠々と野生の萌えもん達を薙ぎ払いつつも別れる寸前まで煽って来たトンガリ頭の友人を思い出し、今までの疲れが出始めた。 視線をオーキド博士から回復装置へと移す。回復装置は動いている。全回復するまではまだ時間が掛かると言う事。 「しかし今はナイトヘッドを憶えているからキャタピーに押し負ける事も無かろう。」 「ええ。今は三発撃てば確実に倒せます。でもゴーストタイプだからコラッタやポッポには効かないんですけどね。」 「テレポートも憶えているから移動も楽だろう。」 「あまりにセンターに行く回数が多いのでジョーイさんから何度か質問を受けました。」 「…。」 「その上で博士、もう一度聴かせて下さい。幻のポケモンを譲ってもらったかと思えば物凄く弱かった。これは嫌がらせか何かですか?」 回復装置からチーンという音がした。収納したボールの中にいる萌えもんが全回復した事を知らせる音だ。 そこでオーキド博士は「うぉっふぉん!」とわざとらしい咳をした後、トレーナーの視線から離れ、回復装置へと向かって行く。 「では○○○、萌えもん図鑑の完成を期待しておるぞ!」 「気乗りはしないんですけど。」 「安心しなさい、デオキシスは大器晩成型だ。報われる日がきっと来る!それに君は。」 「…一度引き受けちゃいましたからね。分かりました。その言葉を信じて行ってきますよ。」 オーキド博士から受け取ったボールをポケットに押し込み、体を回して、視線の先を研究所の出口がある方向に向かせる。 途中、真横を通り過ぎた博士の助手である男と軽い挨拶を交わした後でオーキド研究所から出て行った。 レベルを上げて強い技を習得するの為、今日も彼等はトキワの森の草むらで野生の虫萌えもん達と戦い続ける。 トレーナーとデオキシスにとって最大の試練はトキワの森に向かう途中にある草むらにあり、そして彼らは運悪くも試練と出会ってしまった。 「ゲェーッ、ポッポ!」 「ここで消耗される訳にはいかない。逃げるぞ、デオキシス!」 ・ニビシティ ニビシティジム。岩タイプを使うタケシがジムリーダーを務めるジムであり広い砂場の上に大小様々な岩石が置かれているのが特徴である。 その中で砂を掻き回しながらも岩石達の前後を通り抜け、走り続ける萌えもんが一匹いた。朱色と青緑色の少女デオキシス。 今の彼女は何が楽しいのか大変機嫌が良いらしく鼻歌交じりに走り回り対戦相手であるイワークに見向きもしない。 しかし余りにも速い動きにタケシとイワークは混乱していた。種族値150は伊達ではない。一方でデオキシスのトレーナーは呆れていた。 「んっん~♪」 「イワーク、岩石で奴の動きを止めるんだ!」 「分かりました!てぇぇぇぇい!」 「あは、あはは、あははははっはははははははっははははは、WRYYYYYYYAAAAAAAAAAAAA!」 イワークが投げた幾つもの岩石を見据えたデオキシスが奇妙な叫び声を捻り出すと、岩石の動きが空中でピタリと止まる。 サイコキネシス。念力で相手を攻撃する技。トキワの森での特訓の末に(具体的に言えばレベル20で)手に入れたタイプ一致技である。 そしてデオキシスが岩石に向けて右手の指で払うような動作をした途端、岩石同士はぶつかり合って砕き砕かれながらも落ちた。 落ちてくる岩石を避けながら、時には念力で岩石をどかしながらもデオキシスは疾走し、イワークの前にまで来た。 「迎え撃て、体当たりだ!」 「は、はい!」 「無駄ぁ!」 イワークが走り出そうと姿勢を傾けた瞬間デオキシスが伸ばした腕に左足を引っ張られバランスを崩し額から砂場の床にぶつけてしまう。 急いで立ち上がる。ふと周囲が暗くなった事に気付き、嫌な予感と共に上を向くと、そこには岩石を持ってきたデオキシスが。 「 追 い 打 ち だ ! 」 「う、うわぁぁぁぁぁ!?」 「イワーク!!」 「…ストレス溜まっていたんだなぁ。」 その一撃が決め手となりイワークは倒された。こうしてトレーナーとデオキシスはグレーバッジを手に入れた。 「無双してやるぞトレーナー共!我が「攻撃」「特攻」の下にひれ伏すがいい!」 「PP切れには気を付けろよ。」 「三日前まではちと手を焼いたポッポだが、サイコキネシスの前には無力なものよ!」 ・ハナダシティ ハナダシティジム。ジムリーダーは「おてんば人魚姫」カスミ。水タイプ萌えもんで攻め続ける事をポルシーとしているらしい。 その為かジムのスタジオは巨大なプールになっておりジムリーダーやジムトレーナーが水着を着ている場合が非常に多い。 一ヶ月程前までは研究所に居たデオキシスにとってそうした施設は新鮮らしく、初めは無邪気な子供のようにはしゃいでいた。 しかしトレーナーの目的はプールで遊ぶ事ではなくカスミが所持するブルーバッジを入手する事である。 遊べない事にデオキシスが不満を唱えたがトレーナーはブルーバッジを得たならば二人分の水着を買って一緒に泳ぐ事を約束した。 再び「ハイ!」な気分になるデオキシス。ジムトレーナーをサイコキネシスで無双しそのままの勢いでカスミに挑む。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラァァアァッァァッ!」 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァッァアアッ!」 プールの水面に浮いて殴り合う、少女らしくない少女達の奇妙な雄叫びがハナダシティジム中に響き渡る。 スターミーの拳にデオキシスは自分の拳を合わせて防ぐ。デオキシスの拳をスターミーはデオキシスがしたように防ごうとする。 が、拳と拳が触れた途端、デオキシスの拳は何本もの糸のようになり、合わせようとしたスターミーの拳に巻きついた。 驚いたスターミーはは体全体を高速で回転させて腕の拘束を外す。その瞬間にデオキシスは容赦無く無防備となっ他腹部を思い切り殴り付けた。 痛む腹部を抑えながらも吹っ飛んだスターミーは念動力による浮力の制御を失って、水の中に落ちる。 そこへさらにサイコキネシスで追い打ちを掛ける。起き上がり立ち向かおうとしたスターミーをプールの底に叩きつけた。 「駄目押しにもう一発!」 デオキシスは意気揚々と水の中へと潜り瀕死寸前となったスターミーに止めを刺さんと拳を振り上げた。 それを見ながらも、ふとトレーナーは疑問が浮かんだ。自分の切り札が倒されようとしているのに何故カスミは何も言わないのだろうか? 彼女はただ黙ってスターミーを見つめている。その表情は硬く、事前に聞いた「おてんば」とは思えない態度である。 妙にも思いながらも今度は倒れたまま微動だにしないスターミーと、それを仕留めようとするデオキシスに視線を向けた。 そこで、スターミーが何かを手に握っている事に気付く。何かとは木の実だ。その木の実の名前は、確か、 「(…オボンの実!)デオキシス!スターミーはまだ動けるぞ!」 「スターミー、水の波動!」 「なにぃぃ!テレポートを… 「オラァ!」 突然起き上がったスターミーに驚いたデオキシスに逃げる余裕は無い。威力のある波動を浴びながらも水上へと押し上げられる。 デオキシスは落ちながらも念力で落ちる軌道を修正して何とか足場に着地する。が、着いた足が急に崩れ落ち、転倒して足場に顔面をぶつけた。 何度立ち上がろうと試みるが立ち上がれない。水の波動によるダメージと追加効果の混乱の影響だろう。 水の中から出たスターミーは何も言わずデオキシスが足場に付けた手元に立つ。その両手には白いプラズマが波打っている。 「苦労したんだ…このまま倒させてもらうぜ。」 「スターミー、十万ボルト!」 カスミの指示とほぼ同時にスターミーの両手に溜め込まれていた電流がデオキシスの全身に巡り肉を焼いた。 既に瀕死寸前であったデオキシスに、デオキシス程ではないにしろ高い特攻を持つスターミーの十万ボルトが耐えきれるはずも無く。 「うぐおおおあああああ!ば、馬鹿なっ…こ…このデオキシスがァァァァァァァァァァ!」 「てめーの敗因はたったひとつだぜ…デオキシス…たったひとつの単純な答えだ… 『てめーは非伝説を舐めていた』。この言葉を最後にデオキシスは意識を失い勝敗は決した。 「すまない。負けてしまって。」 「一度負けたからといって気を落とすなよ。」 「しかし最後まで私が気を抜かなければ水の波動に当たる事も無かったんだ。申し訳が立たないよ。」 「マトモに指示しなかった俺にも落ち度はある。それに今回の戦いは良い教訓になった。特攻とサイコキネシスだけじゃ勝てない敵もいる。 サイコキネシスを覚える以前を思い出そう。キャタピーにも苦戦していたあの時の戦い方に今覚えている技を組み込んで戦えば、きっと勝てる。」 「でも一つだけ、心残りが。」 「心残り?」 「あの広いプールで泳ぎたかった。」 「…次は勝とうな。」 「うん。次は勝つ。絶対に勝つ。」
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【ネギは食べれないけどお酒は欲しいな♪】 「フーディン、相手の速度は厄介だ、近づけるな!」 「ラスピアス、速度で翻弄しろ!攻撃は見えないが足を止めなければ早々当たらない!」 昼前のトキワジム。 そのスタジアムで、二人のトレーナーとその萌えもんが戦っていた。 フーディンのマスター、トキワジムリーダーのクリム。 挑戦者であり、ラスピアスの主人でもあるトレーナーのリン。 「ふっ…はっ…!」 「えい!やぁっ!」 遠距離から念の拳やサイコキネシスで攻撃するフーディンと、それをかわしながら距離を測り、チャンスを狙うラスピアス。 膠着している戦況を覆すために、二人のトレーナーは同時に動いていた。 「フーディン、ケリをつけるぞ!」 「ラスピアス、ここで決める!」 「了解…!」 「わかった…いっくよー!」 フーディンの体が念力によって無意識の制限を外され、赤く燃えあがりはじめるのと、 ラスピアスの鋼の装甲が最大出力に備えて展開されたのは―――ほぼ同時。 「おぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 「たりゃあぁぁぁぁっ!!」 超高速での機動と激突。そして――― 「はぁぁっ!!」 「やぁぁっ!!」 スタジアムの中央、互いに拳と槍を突きつけ合った体勢で動きは止まっていた。 静止した空間。それを打ち破ったのは、ひとつの柏手だった。 「はいっ、そこまでです!」 審判席に立っていたシャワーズの声で、二人のトレーナーと萌えもんは同時に息を吐く。 「はぁっ…引き分けか…」 「ふぃ~っ…疲れたぁ…」 「しかし驚いたよ…まさか追いつかれるとは」 「日頃の鍛錬は嘘は付かない、って事だね」 「ふぅ…腕を上げたな、リン。こっちも本気を引き出されてしまった」 「いえいえ、俺なんかまだまだですよ。…借りてる萌えもんで勝っても意味はないですし」 「けど、その割にはちゃんと指示も出せてた。ユカだって、お前がちゃんと面倒を見てくれると考えたからこそ、 ラスピアスやエアームド達を預けたんだ、自信を持て。これで8つのジムを制覇したんだからな」 「…はい、ありがとうございました!」 満足げに笑うクリムは、フーディンをボールに戻して軽く体を伸ばす。 「さて、と。どうする?リーグ出場の申請、ここから出来るけど。 せっかくだしやっていくか?もう資格はあるんだし、時間も時間だから昼飯くらいは食わせてやれる」 「…そうですね、お願いします」 「じゃ、ついてこい。ちょっと時間かかるぞ」 「はい!…姉さん、しばらく待っててくれないか」 リンが振り返った先には、伝説の萌えもん、ホウオウ。主(?)の言葉に微笑んで返す。 「はい、行ってらっしゃい あ、それと…おめでとう、よく頑張ったね」 「まぁね…手持ちを貸してくれたユカの為にも頑張らないとね」 そういってリンも微笑む。 クリムも振り返り、その先の萌えもんに声をかける。 「じゃあシャワーズ、そっちはよろしくな」 「わかりました」 - Side A シャワーズ - 「お疲れ様」 審判席から降りたシャワーズに、相手のパートナーらしき萌えもんが声をかけてくる。 みたことのない萌えもんだったが、伝説の存在、ホウオウらしい。 「いえ、私は何も…」 相手は伝説…の、はずなのだが。3年前に対峙したファイヤーや、数か月前戦ったディアルガのような威圧感は微塵も感じられない。 それも彼女の実力のうちなのだろうか…だとすれば、もし戦って勝てるだろうか。 (…戦わないのが一番いいですよね) シャワーズは知っている。圧倒的な力の恐怖を。仲間や愛する人と一緒に立ち向かっていった、あの時の恐怖を。 伝説の存在たる彼女は、それを知っているのだろうか。…いや、それは自分が気にすることではない。 「…………」 「…………」 …会話が、続かない。 (な、何か…何か話のネタは…) 逃れるように換気のために開かれた天井を見上げると、真上に太陽。 「そ、そういえば…もう、お昼時ですね」 「そ、そうね…」 と。ドアが開く音がしたので振り返ってみると、クリムの声が聞こえた。 「悪いシャワーズ。意外と時間かかりそうだから、昼は先に食べててくれ!」 「何かあったんですか?」 「リンのトレーナーカードの更新が切れてた。手続きが増えただけだ、心配ない。 それと、そっちのホウオウのことも頼む!」 「え、あ、はい、分かりました!」 それだけ言い残すと、主人はドアの向こうに消えていった。 とりあえず、唖然としてるホウオウに声をかける。 「あの、まぁ、そういう事らしいので…よかったらこちらにどうぞ。ここよりは涼しいですよ? お昼ごはんも今用意してた所ですから、食べて行って下さい」 「え、えっと…いいのかな?」 「うちのマスターはもともとそのつもりだったみたいですから…」 主人にとって友人、もしくは弟子のような存在であるホウオウのマスターが来ると聞いて、 彼は朝から少し楽しそうだった。…昼食を多めに用意するようにとも言っていたし。 「折角ですし、みんなで食べた方が楽しいでしょう?」 「でも…」 ―きゅるるるる…― タイミング良くホウオウのお腹が鳴った。 「お腹…減ってるんですね?」 「は…はい…」 「それで、どうしますか?」 「・・・・・お願いします」 ホウオウは顔を赤くして答える。 二人は並んで、ジムの奥へと入って行った。 ジムの奥は、居住空間となっている。 シャワーズとフシギバナの希望でかなり強化されたシステムキッチンと一体のリビングへ、ホウオウを通した。 と、そこには先客がいた。――フライゴンだ。 「ありゃ、シャワーズ?もう終わったん?」 「ええ、お昼を先に食べることになったので…こちらが、リンさんのホウオウです」 「は、はじめまし…うぷっ!?」 「やーん、かわええー♪なにこの和服似合いすぎぃ♪」 「ちょ、ちょっとフライゴン!」 紹介が終わる前に、フライゴンがホウオウを抱き締めていた。…どこかで見たような光景だ。 自分の胸に相手の頭を押し付け、そのまま体を抱くフライゴン特有の抱き方。 「……あの、フライゴン。いいかげん離してあげないと…」 「え?あ、そやな。ウチ、ちょっとフーディンに用事があるんやった」 「えーっと…今はマスターと一緒に事務室にいると思います」 「ん、そっかー。じゃあ後でな、シャワーズ」 …それだけ言って、フライゴンはリビングを出て行った。相変わらず…なんというか、変わっているというか。 「…大丈夫ですか?」 「は、はい、なんとか・・・」 「気を悪くしないでくださいね…フライゴンはいつもああなんです」 とりあえず、ホウオウを椅子に座らせて、昼食の用意にかかる。 鍋で仕込みをしておいたスープを確認。 「…よし」 まずはどんぶりを用意し、ほんの少しゴマ油を入れ、さらに鍋の鶏がらスープを注ぐ。 これも調理済みの麺を入れ…そこで、ふと気付いてテーブルのホウオウに振り返った。 「ホウオウさん、ラーメン何か苦手な具とか、多めにして欲しいものとかありますか?」 尋ねると、ホウオウはしばらく考えた後で、とんでもないことを口にした。 「えっと…私、ネギがダメなので…ネギ抜きで」 「………え?」 - Side B ホウオウ - 「お疲れ様」 試合が終わって、私は審判席に居た萌えもん―ジムリーダー・クリムのシャワーズ―に声をかけた。 「いえ、私は何も…」 そう謙遜するシャワーズ というは少し違うか? これは…畏怖? そう言えば彼女は数年前にファイヤーと戦ったらしい。 (もし戦ったら…私が負けるな) 涙が出るほどに己のひ弱さは理解している。 戦闘力に秀でたファイヤー達と相対し、尚且つその発する『恐怖』に彼女は仲間たちと共に打ち勝った。 『勇者』とは絶対的な恐怖に打ち勝った者に与えられるもの。 そんな『勇者』とやりあおうなどとは考えない。 というより私が戦う意味ってあるのかしら? 「…………」 「…………」 思考を続けていた私と、話しづらそうなシャワーズ …か、会話が続かない。 「そ、そういえば…もう、お昼時ですね」 「そ、そうね…」 そういえば…もうお昼時か…お腹、すいたな。 そんな事を考えていると、向こうのドアが開いて― 「悪いシャワーズ。意外と時間かかりそうだから、昼は先に食べててくれ!」 「何かあったんですか?」 「リンのトレーナーカードの更新が切れてた。手続きが増えただけだ、心配ない。 それと、そっちのホウオウのことも頼む!」 「え、あ、はい、分かりました!」 …あー、そういえばトレーナーカードの更新最後にいつやってたっけ? 切れてたか… 「あの、まぁ、そういう事らしいので…よかったらこちらにどうぞ。ここよりは涼しいですよ? お昼ごはんも今用意してた所ですから、食べて行って下さい」 呆けていた私にそう声をかけるシャワーズ 「え、えっと…いいのかな?」 「うちのマスターはもともとそのつもりだったみたいですから…」 リンとクリムは…何ていうか『弟子と師匠』みたいな関係になってるからなぁ… でも、本人が居ないうちに先に食べてていいんだろうか。 「折角ですし、みんなで食べた方が楽しいでしょう?」 「でも…」 ―きゅるるるる…― そんなタイミングで鳴る私のお腹。 …恥ずかしい… 「お腹…減ってるんですね?」 「は…はい…」 「それで、どうしますか?」 「・・・・・お願いします」 …こうとしか答えられませんでした…だってお腹すいたんだもん! その後、私はジム奥の居住空間へ通された。 …へぇ、システムキッチン付きか。 かなり力はいってるなぁ… 「ありゃ、シャワーズ?もう終わったん?」 「ええ、お昼を先に食べることになったので…こちらが、リンさんのホウオウです」 どうやら先客がいた様子。 緑髪に羽根…フライゴンだ。 「は、はじめまし…うぷっ!?」 「やーん、かわええー♪なにこの和服似合いすぎぃ♪」 「ちょ、ちょっとフライゴン!」 ってちょ…!? 何か柔らかくてでっかいものが顔面にぃ!? っていうかでかすぎ!確かに私もそんなに小さくないし現在の大きさで満足はしてたりするけど何か悔しい! しかも苦しい!息が出来ない! 脱出しようと必死にもがいてみたが、彼我の腕力差は如何ともしがたい…あぁ、己の体力不足が恨めしい… 「……あの、フライゴン。いいかげん離してあげないと…」 「え?あ、そやな」 そういって拘束を解かれる。 …はぁ…色々と複雑な心境… 「ウチ、ちょっとフーディンに用事があるんやった」 「えーっと…今はマスターと一緒に事務室にいると思います」 「ん、そっかー。じゃあ後でな、シャワーズ」 そう言って彼女はリビングから出て行った。 「…大丈夫ですか?」 「は、はい、なんとか・・・」 「気を悪くしないでくださいね…フライゴンはいつもああなんです」 椅子に座って落ち着くことにする。 そをを確認した後、シャワーズは食事の支度を始めた。 どんぶりと麺…どうやらラーメンのようだ。しかもスープまで取る本格派… 「ホウオウさん、ラーメン何か苦手な具とか、多めにして欲しいものとかありますか?」 そう聞かれたので、ほぼ何時もの習慣で― 「えっと…私、ネギがダメなので…ネギ抜きで」 そう答えた。 「………え?」 …あ、何かマズかったかな? - Side A シャワーズ その2 - 「…えっと、ネギを抜くん…ですよね?」 「は…はい」 念のために確認した。 シャワーズは普段は控えめな性格であるが、それは決して、自己主張しないという事ではない。 それは、自分と他者の意見や思考が違う事を理解したうえで、相手のそれを尊重することができる、という彼女の冷静さだった。 だが。 眼前のホウオウの言葉は、とうてい理解しがたいものだった。 …いや、理解はできるが承服したくない。認めたくない。 「ネギを…抜くんですか…」 ネギ。この場合は、ラーメンの上に刻んで載せる青ネギ、もしくは薬味ネギをさす。 主人の嗜好もあって、この家でのラーメンは常にネギを多めに入れている。 もちろん、人(2人とも萌えもんだけれど)には好みがあるから、彼女のネギ嫌いもおかしくはない。 「一応聞きたいんですけど…ネギのどのあたりが苦手なんですか?」 「えっと…何ていうかあの臭いがちょっと…」 なるほど。ネギ嫌いの人がたいていあげる原因だ。それは理解できる。 確かに、ネギは比較的クセのあるものかもしれない。だが、そのクセを補って余りある利点がある。 「でも、ラーメンからネギを抜いたら野菜が少ないじゃないですか? それに、口の中からいつまでも脂が抜けないし…ネギは、ラーメンをおいしく食べるために必要だと思うんですけれど…」 ネギの役目。それは、脂の多いラーメンを食べる際、その味に飽きがこないようにすると同時に、 脂の味をリセットできる貴重な薬味。…それを抜くのは、最早ラーメンに対する冒涜ではないだろうか? …だが、そんな事よりもむしろ。 (…なんとかこのひとのネギ嫌いを治せないでしょうか…) シャワーズの思考は別方面に飛んでいた。 ネギは確かに好き嫌いの別れる食材だが、好きになればいろいろなものの味が変わるはず。 …しかし、ネギの臭みをどうにかしつつ、他の部分を生かせる料理…それが、シャワーズには思いつかない。 (…うーん、誰か教えてくれないかなぁ…) などと、思った瞬間。救世主は…帰ってきた。 「ふんふふーん…っと、シャワーズ、何してんのん?」 「フライゴン!」 - Side B ホウオウ その2 - 「…えっと、ネギを抜くん…ですよね?」 「は…はい」 「ネギを…抜くんですか…」 あぁ…ヤバい、完全に地雷踏んだ… ついいつものクセで… 「一応聞きたいんですけど…ネギのどのあたりが苦手なんですか?」 「えっと…何ていうかあの臭いがちょっと…」 かなり長く生きているが、どうしてもあの臭いが克服出来そうに無い… リンはそういう点に寛容なので許してもらえているところはあるが、他所様のお宅ではそうは行かない。 でもネギは… 「でも、ラーメンからネギを抜いたら野菜が少ないじゃないですか? それに、口の中からいつまでも脂が抜けないし…ネギは、ラーメンをおいしく食べるために必要だと思うんですけれど…」 あぁ…その言葉が耳に痛い。 …って、何か途中からシャワーズの言葉に熱が入ってきているような。 何か別のものを踏んでしまったか? そんなタイミングで― 「ふんふふーん…っと、シャワーズ、何してんのん?」 「フライゴン!」 フライゴンが戻ってきた。 「何かシャワーズが珍しく熱くなってた気がしたんやけど…どないしたん?」 「…はい、実は…」 そう言ってフライゴンにコレまでの事情を話し始めるシャワーズ …やっぱりちょっと熱くなってるかな? 「そういう事なら、ウチに任せとき」 「はい?」 どうなるんだろう、これから。 …お腹すいた… - Side A シャワーズ その3 - 「…で、任せていいんですか、フライゴン」 「ん、要するにネギの臭みを取るんやろ?ならウチがなんとかするわ。 ウチも昔はネギ嫌いやったけど、あれのおかげで治せたからなぁ」 「へぇ…」 私は隣に立って、フライゴンの手際を見ることにした。 「シャワーズ、卵とって」 「はい」 「おーきに。…おっしゃ、やろか」 牛スジ肉を刻んで煮込んだものを、冷蔵庫から取り出す。フライゴンがよく料理に使うために、 普段から仕込んでおいてある物だ。…単品でお酒とあわせて食べてたりもするけど。 「じゃあシャワーズ、こっち頼むな。レシピはこれで」 「は、はい」 受け取ったレシピを眺めながら、準備にかかる。 スジ肉を親指の先ほどの大きさに切り、同様のサイズにしたこんにゃくと一緒に、 みりん・醤油・砂糖で炊いて行く。 同時にネギを細かくみじん切りにして、軽く水分を切る。 隣を見ると、フライゴンは生地の制作に取り掛かっていた。 鰹だし汁・メリケン粉・山芋・塩・酒・卵などを混ぜ合わせ、 完成した生地を、油をひいたフライパンに薄くのばす。 さらにその上から、ネギを大量に載せ、スジ肉とコンニャクを載せ、薬味に軽く紅ショウガを加える。 最後に生地を上からかけて、ある程度焼けたらひっくり返して強く上から押す。 「ん、いい匂いがしてきましたね」 「せやろ?」 さらにひっくり返し、軽く醤油をかけてすぐにひっくり返し、両面に醤油を馴染ませた後で、 レモン汁を全体にふりかけて、皿へとうつす。 「ほい、完成!」 「さすがといいますか…手慣れてますね」 「後、シャワーズ。これにはもう一つ、必要なものがあるんやけど」 「…え?」 言うが早いか、フライゴンは冷蔵庫を開けて冷やしてあったグラス3つと、缶ビールを3つ取りだした。 「ネギ焼きで飲むビールは究極のうまさやで?」 「…昼間からお酒ですか…」 「まあええやん。…ビールがないネギ焼きなんて福神漬のないカレーやで?」 「私はらっきょう派なんですけれど…」 「ええから!」 言いながら、グラスとビール、そしてネギ焼きをホウオウの前に置くフライゴン。 「ごめんなぁ、待たせて。まぁ、とりあえず食べて飲んでみ」 「…ホントに、どうなっても知りませんからね?」 一応最後の良心っぽい事は言っておいたが、フライゴンが聞くわけもないだろうと確信していた。 - Side B ホウオウ その3 - フライゴンとシャワーズが何やら台所で始めている。 何かの煮物…その後に醤油の焼ける臭い。 そして…さっきから私を非っ常に不安にさせる臭いが… 「ごめんなぁ、待たせて。まぁ、とりあえず食べて飲んでみ」 「…ホントに、どうなっても知りませんからね?」 と言って、置かれたのはビール…と… 「…えっと、何、これ?」 「ネギ焼きや」 山盛りのネギが入った料理。 こう来たか。 「まぁ、まずは一杯、ぐいーっと」 「えぇ!? ちょっと…」 そう言ってビールをコップに注ぐフライゴン お酒かぁ… リンが全く飲めないせいか、此処暫くお預けだったんだけど… 飲みたいけど…目の前にあるのはネギ これは分かる、飲んでしまえば相手の術中に嵌まると。 嗚呼、でも手が勝手に… そんな私の意志とは無関係に私の手はコップを掴み― 「…んぐっ、んぐっ、んぐっ、んぐっ…はぁっ♪」 コップのビールを一気飲みしていた。 「おぉ、ええ飲みっぷりやねぇ」 「ちょ、ちょっと…大丈夫ですか?」 「大丈夫ですよぉ~♪ ちょ~っと久しぶりですっごーっく気持ちいいだけですからぁ♪」 「そかそか、それじゃもっと飲んでなー。ツマミはここにあるから、な?」 「は~い♪」 「それじゃウチも…んぐっ、んぐっ…ぷはーっ!やっぱりこれやね!」 「ちょ、ちょっとフライゴン…」 「ホレ、シャワーズも一杯」 「え…えぇっ!?」 その後の記憶は無い― 「どうも、要らない苦労までかけてすみませんでした…」 「いや、いいさ。こんな事は良くある」 やっと手続きの完了したリンとクリム 二人は先に食事をしているであろうホウオウ達に元に向かっていた。 「しかし…あの二人で大丈夫かな…シャワーズのヤツ、結構やりづらそうにしてたからな」 「大丈夫じゃないですか? 苦手意識もあるでしょうけど話せば まぁ、姉さんは取って喰えるような生き物じゃないですから」 「なんだよ、そりゃ…」 そんな事を言いつつ、リビングへやって来た二人が見た光景は― - Side ? クリム編 - …今の俺の脳内にはこの一言がふわふわと浮かんでいた。 「…なんだ、これは…」 待て、落ち着け。リンも唖然としてるってことはおそらく予想外の事態なんだ。 フライゴンがかなり酔ってる…昼間っから酒かよ、いつもの事だけど。 リンのホウオウもだ…伝説の威厳もどこへやら、だな。 シャワーズ…多少顔は赤いが正気のようだ、俺の方に走ってきてる。 「シャワーズ、何があっ…ぐぉあ!?」 …前言撤回。こいつもぶっ飛んでる。 「マスタぁあぁ…なんかふわふわしますー…」 「止めろシャワーズ、服を剥ぐなっ!フライゴン、何気に加勢しようとしてるんじゃない!」 「よーしウチもやるーっ!」 「HA☆NA☆SE!」 く、くそっ!いくらなんでも押し倒されて押さえつけられた状態でこいつら2人相手はキツいぞ!? リンは…駄目だ、あっちもホウオウにしがみつかれてる。 「えへへへ、リン~♪」 「ちょ、姉さん酒臭っ!勝手に飲んだのか!?」 くっ…後が面倒だが、ここはあいつに頼るしか…! 「やぁ、呼んだかいマスター」 「やっぱり呼ぶ前に来てくれると思ったぜ、フーディン」 「なんなら『Help me, Fudiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin!』とか叫んでくれたらよかったのに」 「冗談だろ?」 「冗談だよ?」 フーディンが冷蔵庫を開け、1.5リットル入りペットボトルを取り出す。 「とりあえず酔いをさませばいいんだろう?」 「ああ、頼む。…後始末が面倒だが仕方がないな」 「わかった。…それ!」 「ひゃあああああああっ!?」 「みぎゃあああーっ!」 「うひゃああああああっ!?」 何が誰の悲鳴なのやら。フーディンがボトルを逆さにして出した冷水を、 念力で塊にして酔っ払い三人組に浴びせたのだ。 「…ふぇ?」 「あ、あれ、私、何を…」 「リ、リン?」 よし、三人とも正気に戻ってるな。 「とりあえず二人とも、どけ。話はそれからだ」 「…はい」 「…うん」 シャワーズとフライゴンが退いたので、俺は立ち上がる。…全く、服がびしょびしょだ。 「悪いなフーディン、助かった。ついでにちょっと雑巾を持ってきてくれ。 …お前らは着替えてこい。あと、そこの二人の分の着替えも頼む」 「うぅ…分かりました…」 無理やり覚ましたので多少調子が悪そうだが、仕方ない。 「リン、立てるか?」 「…酷い目にあいました…」 「むしろ見た感じまんざらじゃなさそうだったが」 「まぁ…姉さんがあそこまで甘えてくるのは…珍しいですけど」 …なるほど。逆に危険すぎて普段は飲めないってわけか。 「着替えを今用意させてる。部屋もあるから、今日は泊まって行け」 「いいんですか?」 「気にするな。…ひとつ、壁を乗り越えたんだ。一日くらいゆっくりしてもいいだろ」 「…お世話になります」 「素直でよろしい。…とりあえず、ホウオウをフォローしてこい」 「はい」 …さて。俺も着替えないとな… シャワーズとフライゴンは後で叱っておくとして。 「…しかし、なんでコイツらは昼間から酒を飲むような事を…」 「さ、さぁ…?」 - あとがき Side シーク - ホウ「・・・・・」 シャ「?」 フラ「どないしたん?」 ホウ「…シャワーズって、着やせするタイプなんだ…」 そんな会話がそのあとあったり無かったり… こんにちは、合作と聞いて即答でストーム7氏を指名したシークです(ぇ 時間かかりました…すみません。 製作段階で、こちらのネギ嫌いをネタにしてみよう、ということになりまして、こんな感じになりました。 一応話の流れとしては リン、ユカと合流 ↓ ユカ、リンにリーグに出ることをすすめる ↓ リン、リーグ挑戦を決意、その際ユカから手持ちを一部借りる ↓ 最後のジムとしてゴーグルのジムに挑戦 という流れになっています。 第一弾のCapri氏・嫁ドリル氏の作品はバトルチックでしたが、こちらはややほのぼの、暴走系、と言えるでしょうか? さて…次は…書けるかな?(ぇ - あとがき Side ストーム7 - シャ「え、えっと…ほら、私はあんまり体のラインが出る服は着ないので…」 フラ「シャワーズ、それ言い訳にもなってないと思うで?」 ホウ「うぅ、なんでクリムさんのとこの子はみんな…」 フー「…みんなが皆そういう体じゃあ…ないんだよ…(血涙」 さらにこんな会話が(殴 誘われるままにホイホイとしぅくさんと合作に挑んだストーム7です。 時間かかったのはもっぱら僕の方でした…ごめんなさい。 個人的にネギが大好きだったので、なんとかしてネギ嫌いを治す流れにしようと。 このゴーグルはみぃ編の少し前か後くらいだと思われます。 二十歳前後なので…お酒が飲めるかは微妙なあたりですが、気にしない方向で。 次回は…どうしようね(ぇ 合作の話はあちこちで上がってるので、前向きに進めて行きたいと思います。 …3ヶ月後には受験だけどね!
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マスター「Z・I・P・サ・ン・ク・ス・!っと さぁダウソしようか・・・wktkとまんねーww A X 〇 C が 手 ご わ い ! ええい、リトライ連打をくらぇい!! よっしゃよっしゃ!うはwwwこれはいいものだwwwww」 カーチャン「少し静かにしなさーい!」 怒られちゃった(´・ω・`) ZIPスレ、たまには斧以外も使って欲しいもんだぜ・・・ 俺はしがない引きこもりニート 少し性癖が特殊なことを除けばごくごく一般的な男の子だ。 今日もまたPCでZIPを落としたりニコニコ動画を鑑賞する毎日さ。 だがしかし、俺も腹が減ったりするわけで、 1階にいるカーチャンから昼飯でも頂くとしよう マスター「チャーハンウマー(゚д゚)」 カーチャン「あなたもいい加減将来のことを考えてみなさいな。」 マスター「そうは言われても夢も希望も野望もやる気もありませんがな」 カーチャン「いつまでもそんなこと言って・・・お隣のシゲル君を見習いなさい。 あの子はもう将来のこと決めてるそうよ」 そんなこと言われてもあれはあれ、それはそれとしか言いようがない。 マスター「俺とシゲルじゃ出来が違うぜ あいつがピッコロなら俺はヤムチャってとこだ」 カーチャン「カーチャンそんなこと言われてもよく分からないわよ」 マスター「あいつと俺じゃ個体値が全然桁違いってことさ」 カーチャン「??」 とまあ、いつものように将来の話をされるとはぐらかすわけだ。サーセンww マスター「ごちそうさま」 カーチャン「はいはい、ちゃんと食器を流しにつけとくのよ」 マスター「うい」 カーチャン「そういえばシゲル君で思い出したけど。シゲル君のおじいさんが呼んでたわよ」 マスター「オーキド博士が?なんでまた・・・」 オーキド博士は近所の研究所でなにかの研究ををしているシゲルの祖父だ。 何の研究してるかは知ったこっちゃないが・・・ とりあえず呼ばれたからには向かうのが礼儀だろう。 俺は久々に外の空気を吸った。 マスター「うおっまぶしっ」 ひざしがつよい。どうも久々に外に出たせいか日光がやたらまぶしく感じられる。 俺はけだるいながらもオーキド研究所へ向かった。 シゲル「なんだー、じいさんならまだきてないぜー」 どうやらシゲルもオーキド博士に呼ばれてたようだ。 しかし博士、呼んどいてそりゃないっすよww さてさて、どうしたもんやら。 こんな狭い町だと探す手間も少なくすむんだろうが めんどくさいったらありゃしないわ・・ マスター「あっちの草むらか」 となると町の外か? 余計に面倒なことになってきたぞ。 オーキド「おおーい、まてー!まつんじゃぁ!」 いた。 オーキド「あぶないとこだった! 草むらでは野生の萌えもんがとびだす。 こちらも萌えもんをもっていればたたかえるのだが・・・」 萌えもん? なんだ、新手のスタンド使いか オーキド「そうじゃ!ちょっとわしについてきなさい!」 んな不振人物みたいなセリフいわれても・・・ だが当の本人が俺の事呼んでたわけだ とりあえず研究所までついていく。 シゲル「じいさん!まちくたびれたぞー!」 オーキド「シゲルか・・・?」 か・・・?って どうやら孫の顔忘れるるほどこの博士の天寿は近いようだ オーキド「おお そうか、わしが呼んだのじゃった! ちょと待っておれ!」 オーキド「ほれ そこに3人萌えもんがいるじゃろう!」 博士が指すそこには3つほど握りこぶし大の紅白色ボールが置いてあった なんだあのボール。あの中にフィギュアでも入ってると言うのか。 博士は本当に大丈夫なのか・・・? オーキド「ほっほ!モンスターボールのなかに萌えもんがいれてあるんじゃ。 昔はわしもバリバリの萌えもんトレーナーとしてならしたもの! 老いぼれた今は萌えもんも3人しか残っとらんが お前に一人やろう!・・・さあ選べ!」 さあ選べ!と言われても 俺には人っ子一人養う力なんぞ持ち合わせてないんだが シゲル「あッ!ずるい!じいさん!俺にもくれよお!」 オーキド「まー!あわてるな!シゲル、お前も好きなものをとれ!」 とまぁそんなわけで萌えもんとやらを頂くことになったわけだが マスター「シゲルからでいいよ別に」 シゲル「へへーんだ!俺は大人だからがっつかないのさ、 お前からすきなの選ばせてやるぜ!」 大人はへへーんだ!なんて言わないぞ。と言っては怒るか。 じゃぁ大人じゃない俺はがっついて最初に選ばせてもらうとしよう。 どれどれ・・・ マスター「!!!!!!!」 なんとそこには3人のよよよよよ幼女が入ってるではないか! がちゃがちゃぎゅーっっとフィ〇ュ@? しかもむちゃくちゃかわいい・・・ マスター「この女の子たちの中から一人もっていけと?」 オーキド「さっきからそういっておるだろうが」 これはがっつかざるを得ない!!!!!! とりあえず3人の娘をあらかた確認し、俺は確信した。 かわいらしいよつんばいポーズ、ぷにぷにしてそうな二の腕、愛くるしい八重歯 この子がいい と オーキド「そうか! フシギダネがいいか! こいつはとても育てやすいぞ! 植物萌えもんフシギダネがいいんじゃな?」 マスター「はい!」 オーキド「この萌えもんはほんとに元気がいいぞ!」 シゲル「じゃ、俺はこれ!」 シゲルはヒトカゲにしたようだ。 今はそれどころじゃないが オーキド「そうじゃ!野生の萌えもんがでてきても そいつを戦わせていけば隣町へいける。」 なるほど。どうやら幼い見た目に反してなかなかの戦闘力を持ってるようだ。 ん、まてよ・・・ マスター「博士、一つ質問してもいいですか?」 オーキド「おお、なんだ」 マスター「つまり草むらを歩いてるとフシギダネみたいな野生の・・えっと・・」 オーキド「萌えもんじゃ」 マスター「そう、その野生の萌えもんが出てくるって事ですか?」 オーキド「何当たり前のことを聞いとる、そういうことだといっておるだろ」 うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ゆめがひろがりんぐwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 外はこんなパラダイスだったのかwwwwwwwwwwwwwwww マスター「それでは隣町にいってきまっす!」 オーキド「少し様子がおかしいが・・・まぁいいじゃろ」 これからフシギダネたんとめくるめく大冒険がはじまるわけだぜうっひょおおおおおおい!! シゲル「まてよ!せっかくじーさんに萌えもんもらったんだぜ! ・・・ちょっと俺の相手してみろ!」 空気嫁 まったくこいつは・・・ まぁ腕慣らしにちょうどいいかもしれん。 まだ萌えもんの戦いを把握してるわけじゃないし 続く...
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ついさっきハナダで捕まえたミュウツーたん。 果たして彼女の乾いた心を癒せるだろうか・・・ 俺の一言でエロスフラグにも死亡フラグにもなるのだ。 慎重にいこう。 ちなみにとある作戦に備えて。ミュウツーたんのわざを"忘れ親父"の力で全て忘れさせ、 わざマシン01で覚えさせたメガトンパンチのみにしてる。 もちろん後で元に戻すがな。 なぜいちいちそんなことをしたのか、後々分かるだろう。 ミュウツー「・・・」 マスター「ミュ・ウ・ツ・ウ・たーん♪」 ミュウツー「何のようだ・・・」 マスター「なにやってんの?」 ミュウツー「貴様には関係の無いことだ。」 さしずめ上位エスパーっ娘お得意の瞑想ってとこだろう。 やっぱりこれやるととくこうととくぼう上がるのかね? マスター「目の前ににっくき人間様が居る割りに随分冷静だな」 ミュウツー「なんとでもほざくがいい。私は貴様に捕まってしまった、これ以上何も言うことはない」 マスター「そんな、戦時中の捕虜じゃあるまいし、リラックスしようよリラックス」 ミュウツー「・・・目障りだ、失せろ」 ああ、そんな声で罵らないでくれ・・・ハァハァ 下半身のボルテージが上がっていく! いやいや、我を忘れるな落ち着け俺 さぁさぁここからが正念場だぞ マスター「いやだ、と言ったら?」 ミュウツー「貴様・・・」 マスター「ミュウツーたん恐いよー><」 ミュウツー「馬鹿にしてるのか?」 乗ってきたな・・・よし マスター「ははは、馬鹿にしてないといえば嘘になるかもしれないなw 一人卑屈になっててアホくさいと思わんかね」 ミュウツー「・・・黙れ」 マスター「ほほーう、ムキになるあたり、図星ってとこかw」 ミュウツー「黙れと言っている!」 マスター「いーや、黙らないね。あんな辺境の洞窟にこもって 臆病風に吹かれるもいいところだぜww」 ミュウツー「貴様・・・殺されたいのか?」 マスター「いっぱしの人間ごときに捕まったお前なんぞにやられはせんわいww」 ミュウツー「・・・死ね」 おーっし、きたきた。 どがっ! うぼぁ!いってええええ さすが戦闘萌えもん。物理技でもかなり痛いっす。 マスター「いやーん、ミュウツーたんおっかなーいw」 ミュウツー「貴様・・!」 よしよし、いい感じにキレてるな。 というか思ったより早く怒り出したな。 造られたってコンプレックスが相当のストレスを生み出してたようだ。 ミュウツー「私のわざを無くしたのは何のつもりか分からないが、 それだけでこの私に勝てると思うか人間!」 マスター「キャーキャー」 どがっ!ごっ! マスター「ハァハァ、もっと殴ってくれ・・・」 いけねっ、ちょっと"地"がでてしまった。 ミュウツー「挑発のつもりか?なら遠慮なくやってやる!」 ゴスッ!ドゴッ! うは、結果オーライ。 あー、でもやっぱり痛いw さて、タイミング的にそろそろ倒れるべきか。 どさっ ミュウツー「これで・・・終わると思うな!」 マスター「あらやだ、ミュウツーたんったら大胆w」 ミュウツー「この期に及んでまだ挑発するつもりか!」 マウントポジションktkr ああ、そんなところにお尻を乗せないでオクレ・・・ 下半身のボルテージがあが(ry おっとと、いけないいけない 落ち着くんだ俺。素数を数えて落ち着くんだ・・・ ゴッ! ミュウツー「貴様ら人間が・・・!」 ドガッ! ミュウツー「私利私欲で生み出して・・・!」 ゴスッ! ミュウツー「それで、言うことを聞かないから「いらない」だと・・・!」 ドゴッ! ミュウツー「命をなんだと思っている!私をなんだと思っている!」 ガスッ! ミュウツー「私はお前らのような薄汚い人間の手によって生みだされた!」 ドゴォ! ミュウツー「これほど屈辱的なことがあるか!」 ガンッ! ミュウツー「貴様なんかに分かるわけ無いよな!私のこの気持ちが!」 ガツッ! ミュウツー「何とか言ったらどうなんだ!」 グシャッ! ミュウツー「私は・・・私は・・・」 あたたたた・・・ さすがにメガトンパンチを15発も喰らったら痛いぜ えーっと、これで15発うったわけだから、PP切れだな。 今こそチャンスだ☆ マスター「・・・気は済んだか?」 ミュウツー「・・・」 マスター「ほら、まぁあれだ。エスパー技じゃ手ごたえ無いだろ?」 ミュウツー「何を・・・言っている・・」 マスター「俺みたいな人間をボコボコに殴って少しはすっきりしたろ」 ミュウツー「お前・・・」 お、三人称が変わった!ちょっと揺らいできたか。 とりあえず起き上がってミュウツーたんを抱える形にっと。 うはwやわらけぇww マスター「よっぽど抱え込んでるもんが重たかったんだろうな。 むちゃくちゃ痛かったぜ」 ミュウツー「・・・」 マスター「そりゃ造られた悲しみは俺には本当に分からない。 すっごい図々しいこというかもしれないけど、そこまで深く考えなくていいんじゃないか?」 ミュウツー「・・・」 よしよし、俺の話を良く聞いてる。後もう一押しか。 マスター「でもまぁ、辛かったんだな・・・ 俺はお前を私利私欲のタメに使ったりしない。 どうするかはお前の自由だ」 ミュウツー「今更・・・どうしろというのだ・・・!私は・・・なんなんだ!」 マスター「そんなもん誰も知らない、俺自身おれがなんなのかすら分からないんだ。 それが当たり前なんだ。遅いも早いもない、ミュウツーたんが自分自身の力で見つけ出すことだ。」 ミュウツー「どうして・・・お前は・・・人間のクセに・・」 マスター「まぁ、みんながみんな同じような人間って考えないことさ。 俺はミュウツーたんを助けたい。そう思っただけだ。」 ミュウツー「う・・・ぐすっ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁあああ!」 パ タ ー ン 入 っ た !(CV:CX有野) よしよし、大泣きしたぞ。こうなりゃこっちのもんだww マスター「よしよし、いっぱいためんこんでたんだな。 思いっきり泣け泣け。」 ミュウツー「ひぐっ・・・うう・・」 それからしばらくミュウツーたんは泣き止まなかった。 やっぱ溜め込んでたんだなー。 不憫な子やね(ノд`) それにしてもこの感触たまらんですたい!w ・ ・ ・ マスター「ははは、天下に名高い最強萌えもん様がそんなに泣くとは思わなかったぜw」 ミュウツー「ぐすっ・・ふん・・・」 マスター「どうだ、人間のこと好きになったか?w惚れてもいいよ?w」 ミュウツー「少し見直したと思えば・・・」 マスター「よしよし、立ち直ったな。もう大丈夫だろ、出すもん出したわけだし」 ミュウツー「お前に心配されなくとも・・」 マスター「おkおk、ところでミュウツーたん。 もうしばらくこのままでもいいかい?」 ミュウツー「・・・好きにしろ」 マスター「ははは、ちょっと顔が赤いぞ?w」 ミュウツー「だ・・黙れ!」 テラモエスwwwwww ミュウツー「お・・お前・・」 マスター「ん?」 ミュウツー「その・・・体、大丈夫か?」 デ レ た ! よっしゃよっしゃ!ステータスにツンデレと書いてあったのは間違いじゃなかったようだ。 いやー、15発メガトンパンチを喰らったかいがあった。 今なんか「お前最低だ」って声が聞こえた気がするがきにしないきにしない。 マスター「全然大丈夫さ。俺はこういうことには慣れてるんだ。 ちょっとやそっとじゃ俺は死なないんだずぇ」 ミュウツー「そうか・・・」 マスター「んで、これからミュウツーたんはどうするんだ?」 ミュウツー「私は・・私自身がなんのために存在できるのか、なんのために生きていけるのか。それを探そうと思う。」 マスター「俺のためってのはどうっすか? あれだ、俺のお嫁さんとかw」 ミュウツー「な・・・ふざけるのも大概にしろ!」 マスター「おー、また顔が赤くなった。」 あ、ヤヴァイ。これはかわいい。 なんかあれだ、ツンデレっていいね なんにせよ、これでミュウツーたんはもう大丈夫だろう。 自分のからにこもることなく自由に生きていけるといいな。 ミュウツー「私はこれから旅に出る・・・私が戻ってきたそのとき、私はお前に・・・」 マスター「私は?」 ミュウツー「聞くな!今の発言は、その・・・忘れてくれ」 マスター「はーいw」 ミュウツーたんがどこかへ行っちゃうのは惜しいが これでフラグはばっちり、今回の作戦は大成功だなうひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃwww ・ ・ ・ フシギバナ「それでそんなにひどい怪我を・・・」 マスター「そそ、ちょっと危なかったおw」 フシギバナ「無茶だなぁ・・・」 マスター「ははは、まぁ頑丈なのが取り柄だからw」 フシギバナ「あんまり心配かけさせないでくださいね」 マスター「ま、帰ってきたときが楽しみだ。そんときは皆でお出迎えしてやろうな」 フシギバナ「はい。(マスター・・やっぱり優しいなぁ)」 これからの楽しみが増えた。きっとミュウツーたんはいい顔で帰ってくるだろう。 確信は無いが、きっとそうなると俺は信じてる。 糸冬
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注意 一.なんか萌えもんより目立っている人がいます 二.微エロ(?)注意 三.その場のテンションで書き上げ、誤字脱字も沢山あるかもしれません 四.色々おかしいのはご愛嬌ってことで ハナダシティ―― 水の萌えもんの使い手であるジムリーダー、カスミを擁するのどかな町である。 カントーでも有数の自転車店やデートスポットで有名なハナダの岬など名所も多い。 そんな町を、俺は再び訪れた。 目的は新たな仲間の育成……だったのだが。 「べべ、別にそんな訳じゃ……」 「強情ねぇ……。じゃあ、こうしてもいいのかしら?」 なんでこんな事になっているんだか。 ふと、何の気もなしに立ち寄ったハナダジム。 非常に苦戦したカスミとの勝負を思い出していると、受付のお姉さんに捕まってしまい、カスミの前に差し出されてしまったのだ。 俺は別にいいと言ったのだが、一向に聞き入れられる事もなくズルズルと連れ去られてしまった。 確かに、ジム戦の後に色々と話もしたし、また来いとは言われたが、今日は心の準備が……。 そんな俺の言い分をよそに、俺の体は無慈悲に地獄への階段を上っていった。 「ピジョン、戦闘不能。勝者、ジムリーダーのカスミ」 カスミのもとに着いたとき、ちょうどジム戦が終わったところだった。 チャレンジャー潰しとも恐れられるカスミのスターミーは難攻不落の砲台として有名だ。 あの可愛らしい外見から放たれる、えげつないほど強力な攻撃は新人トレーナーの厚すぎる壁である。 よく勝てたな俺、なんて思っているとカスミと目が合った。 何で? と言わんばかりに硬直しているカスミに軽く手を上げて挨拶をすると、ふんっ、とソッポを向かれてしまった。 随分と嫌われたものだなぁ……。 苦笑しつつ、俺はジムリーダーの私室へと向かった。 「で、どうなの?」 「何が?」 差し出されたお茶とお茶請けの煎餅を齧りながらカスミの問いを問いで返す。 この返しにこめかみを軽くヒクヒクさせるおてんば人魚。 「旅に決まってるじゃないの」 それ以外で私が聞く事があると思ってるの? と言わんばかりにスパッと言われてしまった。 「順調だよ」 軽く答えると、お茶を含んで一息をつく。 そして、ハナダジムから後の話をし始めた。 クチバシティ、イワヤマトンネル、シオンタウン。タマムシシティからセキチク。そしてヤマブキ。 ヤマブキではナツメにこてんぱんにやられてしまった。 強力な物理攻撃を放てる仲間がいなかった為、フーディン相手に全滅してしまったのだ。 この件になると、カスミは大笑いを始めた。 曰く、 「あんたの研鑽不足よ。もっと修行することね。」 とのこと。事実だけにちょっと心が痛い。 そこから訪れたのは長い長い沈黙だった。 こっちが喋ろうにも、向こうが何かを言いたそうにうずうずしているのだ。 しばらく口をもぐもぐさせていたカスミが意を決して話し出そうとした瞬間 「随分素直じゃないのね」 モンスターボールが開き、一体の萌えもんが現れた。 出てきたのは、九つに束ねられたブロンドの髪の毛を持つ萌えもん――キュウコンである。 エリカ戦での大活躍に始まり、今や俺のパーティーには欠かせない大切な仲間である。 「『私の』ご主人様ともっと喋りたいなら素直に言えばいいのに」 私の、をえらく強調するキュウコンに、かわいそうにとカスミに同情するのはボールの中の萌えもん達。 あのタイミングも絶対狙ってたんだろうなぁ。 「ちょっと! なによ、『私の』って」 顔を真っ赤にしていきり立つカスミ。 何でそっちに怒るのかは知らんが抑えて抑えて……。 「あら、言葉どおりの意味なのだけれど」 してやったりの笑みを浮かべるキュウコンさん。 その言葉でさらに混乱するカスミはその笑みの意味するところにまったく気づかない。 挙句の果てには、 「ああ、あんた、ポ、ポケモン相手に何してんのよ」 こら、俺に矛先を向けるな。それにしてない。 さっきからクスクス笑みを絶やさぬキュウコンは、そのまま俺の背中にしだれかかってくる。 あまりの出来事にカスミは絶句。 俺は溜息。 そんな俺の肩にキュウコンの顎が乗っかって、俺はは思わず体を震わせた。 ここまで行くとカスミも黙ってはいなかった。 「いい加減に――」 「いい加減に……なにかしら?」 俺の肩越しにカスミを見つめて言葉を遮るキュウコン。 絶対狙ってるうえ、華麗に爆弾を投下してくれた。 「嫉妬でもしているのかしら?」 「――――!」 だからなんでクリティカルヒットしてるのかなぁ、もう。 顔を真っ赤にしてうろたえるカスミは、かろうじて言葉を搾り出すのに成功した。 「べべ、別にそんな訳じゃ」 アウト。 この程度じゃうちのキュウコンは止められない。 むしろ、あんな風に言葉に詰まればさらに加速してしまう。 カスミは火に見事に油を注いでいくれた。 ……被害を受けるのは俺なのになぁ。 「ふーん、じゃあ――」 そう言いつつキュウコンは俺の耳元に口を近づける。 炎タイプ独特の熱い吐息が俺の耳元を撫でていく。 「――こうしても別にかまわないわよねぇ?」 そのまま、耳たぶをかぷり。 あーっ! だとか、羨ましいだとか、代われだとかがベルトのボールから聞こえたかも知れんが、俺は何も聞いてない。聞こえてない。 舌のぬめりやちょっとしたざらざら感が俺の耳を侵食していく。 てか、こら。やめなさい。 舌の震えでわかる。こいつ絶対今笑ってる。 相変わらず人を弄ぶのが好きなやつだ。 鼻を鳴らし、吐息を漏らしながら俺の耳から離れようとしない。 いい加減くすぐったいんだけどなぁ。 しばらく、この部屋はキュウコンの吐息に支配されていた。 「な、なななななななな……」 「な?」 問い返す俺。 キュウコンも耳から口を離す。 うわ、べとべとだ。 「なにしてんのよーーー!!」 カスミが魂のシャウトを吐き出した。 あいや、ごもっともでございます。 「すまん、色々迷惑をかけた」 「気にしないでいいわ。半分はこっちの自爆だし」 ジムでのカオスな空間からようやく抜け出すことに成功。 まだキュウコンは隣で佇んでいるが、いつもの事なのでもはや気にしない。 そして、カスミの言葉に対しクスッと笑うのも、もうどうでもいい。 お二人にしか分からない話題で目と目で会話しているようだ。目が怖い。 「あんたがその気なら受けて立つわ。上等よ」 「あら、言っておくけど……。ライバルは多いわよ?」 そして勝手にしめないでいただきたい。正直俺はチンプンカンプンだ。 戸惑う俺を正面に見据え、カスミは臆することもなく言い放った。 「覚悟しなさい! あんたは私の初めてを奪ったんだからね」 ……はぁ? 混乱に陥った俺をジト目で非難するキュウコン。心なしかベルトのボールからもプレッシャーが飛んできている気がする。 いえいえいえいえ、心当たりはありませんよ? 頭が真っ白になった俺は、カスミが消えるとともに、夢遊病者のような足取りで萌えもんセンターに向かった。 「初めて……」 カスミはそう呟くと、隣のスターミーに目をやった。 難攻不落の砲台。そう称されるほどに、このスターミーの実力は圧倒的だった。 高いスピード。豊富な攻撃技。 高度な戦略や高いセンス、あるいは萌えもんを育てる根気を見るにはまさにうってつけの萌えもんであった。 そのスターミーが本当の意味で負けたのはただの一度。それが、先ほどの少年相手のことだった。 一回目の挑戦はボロボロだった。いや、状態異常を駆使するなどのセンスはあった。 それでも押し勝った。カスミはこの時この少年に、ある予感を感じた。敗北の二文字の予感を。 そして近いうちに現実となった。 二回目の戦い。ピカチュウとフシギソウの二体にカスミのスターミーは敗れた。 他の挑戦者がスターミーがいないという幸運でブルーバッヂを掴むのに対して、その少年は正しくブルーバッヂをもぎ取ったのだ。 その後の活躍は、カスミも聞いていた。特に、ロケット団を潰した少年トレーナーの萌えもんの構成を見たときは驚いた。 あのときの名残はピカチュウ、フシギバナそれにピジョットしかなかったが、それでもあの少年だとカスミにはわかった。 日増しに自分の中で彼の存在が大きくなるのを感じながらも、カスミはその感覚が心地よかった。 でも…… 「勝てっこないわね。あれには」 不思議そうに首を傾げるスターミーを胸に抱いて、カスミはベッドに身を投げた。 ハナダの岬へ誘えなかった悔しさと、誘ったとしても自分そっちのけで修行に励むのだろうという予感から、 カスミは笑みを零した。 「あぁ、今日はなんて日だ」 ポケモンセンターで宿を取り、ベッドで横になりながらも、少年の愚痴はやまなかった。 迂闊にハナダジムに寄ったが故に貴重な一日を浪費してしまった。 それもこれもキュウコンのせいだ。 いや、キュウコンに愚痴を言っても仕方ないか。 「ご主人様」 自分を呼ぶ声に反応して体を起こすと、キュウコンが窓際に座っていた。 折りしも今宵は満月であり、月光を反射して金色に輝く彼女の体が神々しく見え、 少年は思わず、言葉を失った。 そんな様子に気づいたキュウコンが意地の悪い笑みを浮かべた。 「見とれていたのかしら?」 否定できないだけに少年はぐうの音も出ない。 そんな少年の様子にキュウコンはクスクスと笑い少年の隣に腰掛けた。 「今日はちょっとやりすぎたわ」 「当たり前だ」 少年は即答した。 「あら、でも結構気持ちよかったんじゃない?」 妖艶な笑みを浮かべて顔を近づけるキュウコンを手で制しつつ、 くすぐったいだけだった、と答えを返す。 「でも、あんなことするなよ。今はまだ大丈夫だけど、うっかりお前達を襲ったらトレーナー失格だからな」 その言葉を最後にベッドに潜りこんだ少年に 「あなたなら……。私達は……」 言葉を紡ぎ、キュウコンもまたボールの中に戻っていった。 ――了―― 後書き カスミが異常に目立ってますがそこは気にしない方向で。いや、彼女も好きですよ。 軽くパーティを晒してますが気にしません。とりあえずキュウコンを嫁といいたいです。 本当ならキュウコンだけで話を進めたかったのですが、性格上他の人を絡めたかったので、カスミにご登場願いました。 頑張れカスミ。脈はない事もないかもしれないぞ。 分かってるとは思いますが、ウチのキュウコンはこあくまです。
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マスター、私、進化できました! おめでとう! テッカニン! はいっ、これからもマスターのために頑張ります! 新化おめでとう~♪ いいなぁ~、アタシも早く進化したぁい~! 私は進化しないから、成長するというのが羨ましいわ… 『…あの……』 進化したテッカニンを囲む1,2,3……6人の輪。 その輪から外れた場所に1人、宙に浮く萌えもんがいた。 あまりにも長い袖を垂らし、背中には6枚の羽根、頭には2つの鈴と大きなわっか。 『…私に…気付いてください……!』 彼女は必死に声をかける。しかし、誰も気付いてくれない。 気付くどころか、まるで無視するかのように、彼女がここに存在しないかのように、進化を喜びあっているのだ。 さぁ、疲れただろ、萌えもんセンターに戻ろう! はいっ! りょ~かいっ♪ 戻ったらおいしいものが食べたいわ…♪ 『ま…ますたー…!』 必死に手を伸ばす。しかしそれは虚しく宙を掴み、彼女達のマスターは、森の入り口へと姿を消してしまった。 『おいて…かない……で……』 彼女はその名の通り、元の体からも、メンバーからも『抜け』てしまった。 『どうして……こんな姿に……なっちゃた……んだろ……』 一人切り株に座る少女。その姿に最早『生』はなかった。 ただずっと下を向き、ただずっと自分を見つめる。 いつしか目からは涙で溢れていた。 ガサガサ…… 揺れる叢の音に再び彼女に『生』が戻る。 「ふぅ…」 出てきたのは、1人の虫取り少年だった。あたりをキョロキョロと見回し、虫を探しているようだった。 『あの……!』 彼女は少年の前に出る。これなら、絶対に気づいてくれるだろうと。 しかし…… 少年はキョロキョロしながら、彼女の体を通り過ぎてしまった。 彼女の顔に絶望の色が浮かぶ。 『すみません…! 気付いて……くださ……』 と、言いかけた時。 「ふぅ…ここらへんは虫さんいないなぁ~」 その言葉は彼女を『死』に追いやるのに十分すぎる言葉だった。 『いない……私は……いない……』 フラフラと切り株に腰を下ろす。 ―― 他人に気付いてもらえない、そんなのどこぞの霊と同じ… いや、同じなわけじゃない。 自分が霊になってしまったのだ。 私は進化したのではない… 死んだのだ。 ―― 彼女はそう悟った。 光を失った目、止まらない涙、絶望の闇に囲まれた彼女にできることは何一つなかった。 『…神様……何故…私をここに留まらせるの……?』 ―――――――― ―――――― ―――― ―― いくらか日が流れた。 彼女は今日も、切り株に腰を下ろしている。 目は虚ろになり、涙は枯れ果て、体に生が感じられないその姿はまさに地縛霊そのものだった。 周りで音がしても気に留めず。風が体を撫でても感じようとしない。何かが触れてもそれに反応しようとしない。 『………………』 ―――――――― ―――――か? ――――大丈夫か? 『…………え…?』 いつの間にか、声をかけられていた。 いつの間にか、息を感じていた。 いつの間にか、肩を触れられていた。 彼女が視線を上げると、そこには1人の人間がいた。 『…私が………見える……の…?』 「もちろんさ、そんなやつれた顔して……大丈夫かい…?」 『…あ…あぁ…………』 彼女の目に再び光が戻った。 大粒の涙が溢れ、体を小刻みに震わせるその姿に既に『死』は存在しなかった。 「ど、どうしたんだい……?」 「う……うわぁぁぁぁあああんん!!」 彼女は人間に抱きつき、大声で泣き叫んだ。 ―― 私に…気付いてくれた… 今までずっと、気付かれなかったのに… 初めて…初めて…… 私は死んだのじゃなかったんだ… ちゃんと、進化できたんだ…! ―― 「うわっ!? いきなりどうしたんだ…!?」 「ひぐっ…えぐっ…」 泣き声は、しばらく止むことはなかった。 ―― よかった… 私はちゃんと…… 生きてたんだ……!――
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前回のあらすじ チャリンコゲット。 イワヤマトンネル目指し歩を進める一同。 トンネル内のトレーナーも含め相当数のバトルになるだろう。 ガンバロー。 マスター「萌えもんバトルですもんね 乗るしかない、このビッグウェーブに!」 ギャラドス「在庫を蒸発させてやんよ」 マスター「アイフォーン」 フーディン「先程言ったように、 イワヤマトンネルの麓に萌えもんセンターがあります。 皆さん、遠慮なく行きましょう」 ピカチュウ「よーし、ガンガンいこー!」 ギャラドス「おー!」 フシギソウ「お・・・おー!!」 そーれ、歩けや歩けぇーっと。 広場に踏み入ったその瞬間、すぐにバトルとなった。 こりゃ先は長そうだぜ。 「あら、萌えもん持ってるわね、カモだわ!」 マスター「その言葉そっくりそのまま返してやろう!」 おッ!! 「がはは、ちょうどいい!退屈してたとこだ」 ギャラドス「二度と退屈って言えねーぐらい退屈しのぎになるぜ!」 すッ!! 「誰だ?よさげな萌えもんとふらふら歩いとるお前は?」 マスター「よさげどころか最高だぜ!よくどつかれるけど」 フーディン「いい加減、自業自得という言葉を理解してください。」 おッ!! 「毎朝早起きして育てたサナギが!やっと孵ったんだ!」 マスター「おめ」 らッ!! 「はっはっはーッ!かかってこーい!」 ギャラドス「かかってきてやるぜ!」 ごッ!! 「おいらのかわいいムシ萌え!それいけー!」 マスター「おいらのかわいい萌えもんも!それいけー!後おっぱい揉ませて」 ギャラドス「断る」 くッ!! 「手加減はなしね!」 フーディン「では、遠慮なく」 うッ!! 「あら?強いわね」 「まだまだ!・・・と思ったらもう萌えもんがない」 「負けよった。くやしくて涙もでん」 「えーッ!僕の早起きは一体なんだったんだあ」 「はーっはっはッ!ありゃ、負けたようだな」 「おいらの虫・・・」 「ダメ!かなわないわ」 ・ ・ ・ マスター「よっしゃー萌えもんセンターに到着ー!」 ギャラドス「疲れたぁー!」 ピカチュウ「あ~、早くお風呂入りたい」 フシギソウ「ま・・・マスター」 マスター「どしたの?」 フシギソウ「体が・・・」 ・・・・・・おや!? フシギソウの ようすが・・・・・・! マスター「うおあ!進化か!?」 フーディン「そのようです。」 ギャラドス「おおー、ついに頭の花が満開になるのか!」 ピカチュウ「どうなるのかな」 フシギソウたんの頭のツボミがついに満開になるのか・・・ ああ、ここまで長かったような短かったような。 感動的な瞬間だぬ。 おめでとう! フシギソウは フシギバナに 進化した! ギャラドス「うは、見事なナイスバディになりやがった」 ピカチュウ「いいなぁ」 フーディン「おめでとうございます」 マスター「おめでとう!ハァハァ」 フシギバナ「ありがとう!」 おっぱい大きいです^q^ とってもかわいいです。お花が満開です なんかもう何て言ったらいいかわかんねぇよ。 なにこの超美人。 マスター「うりゃ」 むにゅ フシギバナ「きゃっ!?」 マスター「この感触、まぎれもなく本物・・・!ありがとうございました」 ギャラドス「せいっ!」 ゴスッ! マスター「ヒヒーン!」 ギャラドス「ヒヒーンじゃねぇよ」 フシギバナ「・・・もうっ」 とにかくめでたい。ああめでたい、 ついにフシギソウたんが立派なフシギバナたんに進化したぜ。 お花が満開になった記念に俺達はささやかなパーティを催した。 イワヤマトンネル越えるのは明日からだな。 ・ ・ ・ マスター「あー、腹いっぱいじゃのぅ」 フシギバナ「いっぱい食べましたもんね」 マスター「フシギバナの飯がとてもうまいからでございまする。」 フシギバナ「そう言ってもらえると嬉しいです。」 ギャラドス「さて、明日は洞窟越えするんだ。さっさと寝るか。」 ピカチュウ「食器片付けるの手伝うよ。」 フシギバナ「あ、持ってくるだけでいいよー。後は私がやるから」 ギャラドス「いっつも悪いなぁ」 フシギバナ「ううん、いいっていいって」 フーディン「それでは皆さんおやすみなさい。」 フシギバナ「おやすみー」 飯前に風呂も入り、晩飯を食べ終え、俺は一服。茶がうめぇ。 フシギバナたんはせっせと後片付けをしている。 さすが手際いいなぁ。 マスター「手伝おうか?」 フシギバナ「すぐ終わるので一人でも大丈夫ですよー」 マスター「そうかそうか。それにしても毎回思うんだが、 片付け、みんなに手伝ってもらってもいいんじゃない? 料理はともかくとしてさ」 フシギバナ「んー・・・そうですねー」 マスター「ピカチュウもギャラドスもフーディンも頼めば断ることはないと思うぜ」 フシギバナ「私は今のままでも平気ですよー。 私の料理を残さず食べてくれるだけで充分です。」 マスター「ほへー」 フシギバナ「マスターと一緒になった時からずっとやってることですもん。 食器が増えるぐらいへっちゃらです!」 ああ、ほんとえらいなぁフシギバナたんは・・・ いいお嫁さんになるでほんま。誰にもやらんがな。 さて、みんな眠りについたし、俺もそろそろ寝るか。 元夜型人間だもんで早寝が苦手なんだよな・・・ 一人眠れぬ夜を過ごすのもあれだし フヒヒフシギバナたんに一つお願い事をしてみようかなフヒヒ マスター「フシギバナー頼みがあるんだけどー」 フシギバナ「はい?」 マスター「添い寝してくだちゃい」 フシギバナ「ええええ!?」 マスター「頼むよ。フヒヒ」 フシギバナ「へ・・・変な事しないでくださいね?」 マスター「しないように尽力しますwww」 フシギバナ「大丈夫かなぁ・・・?」 マスター「ダイジョーブ、ダイジョーブ。 科学に失敗はつきものデースなんてことはないから」 フシギバナ「えぇー・・・」 ・ ・ ・ 半ば強引に押し切って一緒に寝ることになりました。 ひゃっほい。 マスター「狭いからもっとつめてつめてwww」 フシギバナ「くっつきすぎですよぅ・・・」 マスター「ベッドが狭いせいです。他意はありません」 フシギバナ「ぅ~・・・」 マスター「それにしても立派なおっぱいになってからに。うりゃ」 もにゅっ 顔をうずめると天国でした。いい匂いしまくり。スーハースーハー マスター「やわらかいってレベルじゃね~ぞ~」 フシギバナ「きゃっ・・・変なことはしないって約束じゃないですか!」 マスター「これ以上なにもしません。ほんとだよ。」 フシギバナ「う~早く離れてください。」 マスター「漢の夢だ、うん、このまま寝るぞ俺は」 フシギバナ「こ、このままですか・・・?」 マスター「うん、このまんま」 フシギバナ「・・・本当に変なことしないでくださいね?」 マスター「うおーこのおっぱいは俺のもんだー」 フシギバナ「私のです!」 マスター「フシギバナは俺のもんだー」 フシギバナ「んぅー・・・」 マスター「いいだろー?www」 フシギバナ「だ・・・大事にしてくださいね」 マスター「はーい」 ・ ・ ・ ギャラドス「おらー、起きろマスター」 ピカチュウ「朝ご飯できてるよ」 フーディン「毎度起きるのが最後ですね。マスターは。」 マスター「うぉんちゅー、たまにギャラドスのほうが遅いやい」 ギャラドス「オッズは7 3でマスターのほうが上だっつーの。 にしても寝起きの癖に随分元気だな」 マスター「昨日はよく眠れたんでなー」 ギャラドス「フーン」 フシギバナは先に早起きして朝ごはんを作ってくれたようだ。 ぬぁーすごく安らかに眠れた。まだ感触が残ってらwww さぁ、はりきっていきまっしょい! 続く・・・
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攻略サイト集 もんすたあ☆レース 攻略 ゲームシステム、モンスターデータなどがあります。 暗黒時代の遺産 操作方法、攻略チャート、アイテム・特技データがあります。
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萌えもんNO.73 ドククラゲ。 俺の手持ちにもドククラゲがいる。 でも、ドククラゲは名前の通り、毒がある。 だから、ドククラゲやメノクラゲなどを持つトレーナーは結構気を付けなければいけない。 そのため、俺はドククラゲと居るときは触手があたらないように注意している。 そういや、水着の人達ってどうやって回避してるんだろうか。物凄く不思議だ。 ……まあ、その話は置いといて、だ。 今現在、ドククラゲと睨み合って互いに隙を窺っている。 俺の手にはドククラゲのボール。あっちは今にも飛びかかって──いや、抱きつこうとしている。 「いいか、落ちつけ。そしてそこに座れ」 「マスターこそ、そのボールをしまってじっとしてて下さい!」 こんなやり取りがもう数十分になる。 お前、草むらのド真ん中でナニするんだよ。 視界の隅では他の皆がこっちを見て呆れたり、笑ったりしている。 ……って、お前ら何で草むらの外にいるんだよ。何、傍観者になってんだよ。 「……なあ、いい加減やめない? この茶番」 「茶番!? 今、茶番って言いましたね! これは私にとって死活問題なんですっ!」 「どこがどーなって、死活問題なんだよ。三十文字以内で説明しろ」 「毎日一回はマスターに抱きつかないと禁断症状が……」 「残念、二文字オーバーだ。よって諦めろ。それ以前に抱きつく以外もするだろ!」 「だって、何処ぞの女狐が──」 「このパーティーで女狐って言ったらキュウコンになるからな?」 「その通りですっ! この前マスターに膝ま──」 その時、俺達二人の間に炎が横切った。 火炎放射だ。このタイミングで火炎放射を放つ奴なんて一人しかいない。 二人揃って、それが飛んできた方向を見ると。そこには── 物凄い笑顔のキュウコンがいた。 「…………ねぇ?」 「「すいませんでしたぁぁぁぁああああ!!」」 二人でジャンピング土下座。 プライド? なにそれ、食えんの? だって、今のキュウコンに何か言ったらそれこそ葬式とかの過程をすっ飛ばして火葬されるし。 キュウコンは、フンッと鼻を鳴らしてボールの中に入っていった。 「ふぃ~、怖かった~」 「お前が余計なこと言うから……」 「だったら、私にも膝枕をしてください~」 「………………え?」 「何ですかその『冗談もその辺にしろよ』みたいな反応」 「あ、うん、また今度。何時かきっと」 「分かりました、五日後にしてくれるんですね」 「もうヤダ、このドククラゲ」 何を間違えてこうなったのか。不思議だ。 他のドククラゲもこうなの? ねぇ? 懐いてくれるのは、まぁ……嬉しいけどさ。見た目美少女だし。でも限度を分かってないというか、愛情表現の仕方が激しいというか…… そういや、何でコイツはキュウコンに膝枕したの知ってるんだ? ボールに入ってたはずなのに。 「フッ、隙ありぃぃぃ!!」 「ハッ、しまったぁぁぁぁ…………ぐふっ」 ドククラゲの触手が脇腹に命中。 うわぁ、身体が痺れて動けない。意識も遠のいてきた。 意識が無くなる前、最後に見たのは息を切らして、危ない笑顔で向かってくるドククラゲだった。 おい、草むらの外にいる娘達。誰か止めろよ、キミ達のマスターがピンチだぜ。 ──── ………目が覚めた。 そして、一言── 「知らない天井d──」 「マスター! やっと起きたんですか! 一時間二十三分と四十五秒も待ったんですよっ!」 「…………せめて最後まで言わせろよ」 名言が、名言がぁぁぁぁぁぁぁぁ……… ……ま、今そのことは置いといて。 本当に知らない天井だ。気絶する前は外だった訳だし、何処かに運んだんだろうか。 てか、身体のあちこちが痛い。攻撃を喰らった脇腹以外で、何か痛い。 「なあ、ここ何処だ?」 「あ、えっと。ここは近くにあった萌えもんセンターですよ」 「ふーん、運んできてくれたの?」 「はい、途中で三回程落しましたけど」 「おいこら、ちょっと待て。何落してんだよ」 お ま え の せ い か ! もうちょっと優しくできんのか、仮にも俺は主だぞ? ご主人様だぞ? 「まずはそっちが優しくなってください。特にベッドの上で!」 「心を勝手に読むな。それと最後のは却下だ、そもそも何もしてないからな?」 俺の手持ちは全員心が読めるの? ドククラゲってエスパーじゃないよ、むしろエスパーには不利だから。 「キュウコンさんにはあんなに優しかったのに……、ハッ! まさかもう既にキュウコンさんとデキて──」 「アホか! 何言ってんだお前は!」 「じゃあ、誰とデキてるんですか!?」 「誰ともデキてない!」 「だったら今直ぐパンツを脱いでください!」 「何でそうなる!」 「確認するんです! まだ誰ともデキてないかどうかをっ!」 「そんなのしなく──ッ!」 ドククラゲは俺が脱がないと分かると、自分の服を肌蹴させた。 み、見てないよ? 二つの柔らかい脂肪の塊なんて。 「しなくてもいいから、取りあえず服を元に戻してそこからどけ!」 「や、やっぱり、胸なんですか!? 大きい胸が良いんですか!?」 「だから何でそうなる!」 「だって、だって……私の胸を見てもまったく反応してないじゃないですかっ!」 「おまっ……年頃の乙女が何処に視線を向けてんだよ」 「うぅ……」 そこまで言うと、ドククラゲは部屋の隅で、体育座りになって泣きだした。 えー、もう。面倒くさい…… 「あー、その、なんだ。俺は別に胸の大小じゃ……………………なくてだな。単に、お前が何時もそうやってくるから慣れただけであって……」 「……なんですか、今の物凄い間は」 「……な、何でもない」 え、ほら、俺も男だし。分かるだろ? 俺は別にロリコンではないし、一般の思春期の男子なわけで…… やっぱり、さ……うん、これ以上は言わん。 で、今現在部屋の隅でメソメソと泣いているドククラゲをどうするか…… 「まあ……また今度埋め合わせするから、さ。今の所は泣きやんでくれ」 「うぅ……シクシク」 なんてこった、ドククラゲが俺からの誘いに乗らないなんて…… 何時もなら飛びついてくるのに。 「ほ、ほら。取りあえず今は泣きやんで──」 「───くら……」 「え?」 「膝枕……してください。キュウコンさんだけ特別なんて嫌です……」 ぷぅ、っとまだ涙の痕が付いている頬を膨らませてこっちを見る。 だから何で俺がする側なのか、普通男がされる側だよね? ねぇ? 「えっと、俺がドククラゲに?」 「はい」 「ドククラゲが、俺にじゃなくて?」 「それじゃあ意味ないじゃないですか」 「………ハァ」 溜息を吐くと、ベッドの上に胡座をかく。 一瞬でドククラゲの頭が膝の上に来たけど、あんまり気にしないことにする。 しかしまあ、何で俺がする側なのか。されたことはないってのに。 べ、別に膝枕されたいって訳じゃないんだからねっ! と、頭の中で叫んでいるとドククラゲから声をかけてきた。 「あの……」 「ん?」 「ありがとうございます」 「……どういたしまして」 何て返せばいいのか分からないのと、単純な照れからぶっきらぼうに返してしまった。 やっぱり、こういうのって男はされる側だと思うんだ。 でもまあ、手持ちとの交流と思えばいいか。……ん? いいのか? 「あ」 「今度はどうした」 「さっき、埋め合わせするからって言ってましたよね」 「…………い、言ったか? そんなこと」 「はい、言いました。と、いうことで──」 「待て待て待て、何がと、いうことでだ! 何する気だ、服を脱がすな!」 「ふふっ、マスターったら。何をって、ナニをするに決まってるじゃないですかぁ」 「待て、そう落ちつけ。素数を数えろ──ってお前も脱ぐなっ!」 「埋め合わせ、しましょうよ。これで既成事実を作って………あっと、シュミレーションしてたら鼻血が」 俺はその後、萌えもんセンターから逃走を図った。
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前回のあらすじ シゲル氏ね てなわけで、初バトルをすることになった俺とフシギダネ。 まぁいわゆるチュートリアルの類だろう。 連打で勝てるっしょw オーキド「やれやれ・・・ まったくしょうがないヤツじゃのう」 まったくその通りである。 オーキド「萌えもん勝負は初めてじゃろう?」 マスター「そりゃまぁ・・・」 オーキド「萌えもん勝負とは、萌えもんトレーナー達が萌えもん達を戦わせることを言う・・・ 相手萌えもんのHPを0にしたトレーナーが勝ちとなる まぁ、話を聞くよりは体験しながら学んだ方が覚えるのも早いじゃろう・・・ さぁ戦ってみなさい。」 そりゃまた随分、非人道的システムだなおい。 だが、当のフシギダネもヒトカゲもやる気マンマンのようだ。 水を差す真似はよそう。 マスター「んじゃフシギダネ!たいあたりだ!」 フシギダネ「はい!」 あらあら元気なお返事! それに、なんて素直な良い子ちゃんざましょ!! 後で頬ずりしちゃうZE☆ハァハァ フシギダネ「えーい!」 どんっ それはたいあたりというよりは仲の良い友人にじゃれようとする女の子のようだった。 だがかわいいので良しとする。てかかわいすぎるだろ! シゲル「ヒトカゲ!ひっかけ!」 ヒトカゲ「このぉ!」 ぺちッ あれはひっかくというのだろうか、 どちらかといえば悪戯をした妹をお姉ちゃんが優しくしつけてるみたいだ。 これは決着がつくのだろうか・・・ だがこの勝負いつまでも見守り続けるというのも悪くないかもしれない。 オーキド「相手にダメージを与えるのは勝負の基本じゃ!」 これほんとにダメージあるのか? しかしかわいいので良しとする。 マスター「とりあえずたいあたりしまくれー!」 おそらく画面外の見えない力はZキー(もしくはAボタン)を連打してることだろう。 フシギダネのたいあたり(?)で相手にダメージを与え続ける。 どうやらお互いにダメージを受けてはいるようだ。 徐々に息が上がっきている。 マスター「フシギダネ!大丈夫か?」 フシギダネ「わ・・・私は平気です!イタタ・・」 うはぁ、こりゃたまらんばい。フシギダネくぁいいよフシギダネ・・・ だが辛そうなフシギダネを見るのも心が痛む。 こういうものにはHPを回復するシステムが付き物な筈だが・・・ ・・・ あった。 そういえばデスクトップ既存のソフトで 適当にガチャガチャ遊んでたらでてきたんだっけ。 なにか物理法則を全否定するようなことをいってる気もするが、 ここはあえて追求しないで置こう。 ラベルにはきずぐすりと書いてあるんだ。 回復アイテムと見て間違いないだろう。 マスター「フシギダネこっちにくるんだ!」 フシギダネ「はーい!」 シューーー フシギダネ「ひゃッ!」 マスター「どうだ?(うはぁ・・・)」 フシギダネ「あ・・・なんだか元気になりました!」 これはすごい。フシギダネの体力、傷が一瞬にして回復した。 まぁきずぐすりなのだから当然だろう。 原料が気になる所だがこれまた突っ込むのは野暮というものか。 シゲル「おーい!はやくしろー!」 やれやれ・・・お前は大人じゃなかったのか? 少しは待つことを覚えろよww そんなこといってもしょうがないが マスター「よーし、相手も待ってることだ。さぁいってこい!」 フシギダネ「はいっ!」 マスター「相手は弱ってるぞ!一気に畳み掛けるんだ」 といってもやることは同じだが フシギダネ「それー!」 どんっ ヒトカゲ「きゅうー・・・」 どうやらヒトカゲは力尽きたようだ。 コテっと倒れてしまった。 何か罪悪感を感じる光景である。 ごめんな、ヒトカゲ シゲル「えー、そんなバカな! おまえの萌えもんにすりゃあよかった! ・・・ちぇっ、ほらよ」 お・・?80円もらったぞ。 どういうことだ? オーキド「うむ!見事じゃ! 勝つと賞金がもらえ、萌えもんも強くなっていく! 多くのトレーナーと勝負して萌えもんを鍛えていくことじゃ!」 なるほど、合法的に他人から金を巻き上げることが出来るようで・・・ それにしても動物保護法やら刑法やらいろんなものに引っかかりそうなシステムだ。 だがそんなこと言ってたらこの話は成り立たないわけで、 今後突っ込まないことにする。 なにはともあれシゲルざまあwww フシギダネ「勝ったー!マスター、私勝ちましたー!」 そう言ってフシギダネは俺に抱きついてきた。 バトルに勝つたびにこうなるわけか。 最高だな!! マスター「よくがんばったな。えらいぞ!」 フシギダネ「えへへー」 ああ・・・襲っていいですか? だめだ、破壊力高すぎる。 だが俺だって常識を知る人間。 ここはぐっと我慢だ。 フシギダネ「マスター、鼻息が荒いですー」 マスター「あ・・すまんすまん。つい興奮しちゃってw」(性的な意味で) 果たして俺は正常を保っていられるのだろうか。我がことながらいささか不安である シゲル「よーし!ほかの萌えもんと戦わせて、 もっともっと強くするぜ!そんじゃあばよ!」 何事においてもせっかちなやつだ。今後合流してしまわないことを祈る。 オーキド「お前も負けずに萌えもんを戦わせて育てるといいぞ!」 まぁシゲルに負けてしまうのも癪だ。俺もそのつもりである マスター「はい!」 さぁ、KYな幼馴染に水を注されたが いよいよ、俺の冒険が始まる。 何が起こるのか、どんな萌えもんたちに出会えるのか とても楽しみだ。 がんばろうな、フシギダネたん マスター「ところで博士」 オーキド「なんじゃ」 マスター「その余った萌えもんは・・・」 オーキド「やらんぞ」 マスター「ですよねーww」 続く...